咳(せき)が長引くと、「咳で話が途切れてしまって困る」「咳がでるのでぐっすり眠れない」など、生活の中で困りごとがでてきます。
東洋医学(中医学)では、咳は、「風、寒、熱、燥」などの外邪が体に侵入したり、また、主に「肝(かん)」や「脾(ひ)」のはたらきが低下して、「肺(はい)の気(き)」が乱れることで発症すると考えられています。
例えば、外邪が「風燥」であれば、乾いた咳、口が乾く、のどが乾いて痛い、痰(たん)は少なくて吐き出しにくい、などの症状があらわれます。秋のように空気が乾燥する季節では、「風燥」が体に侵入しやすくなりますので、乾いた咳や痰が 出しにくい などの症状を、経験することが多くなります。
「脾」のはたらきが低下すると、「津液(水分)」のめぐりが停滞して「痰湿(たんしつ)」が体の中に生じます。そうすると「痰湿」が「肺」にたまり、「肺の気」が乱れて、痰がからむ重い咳、咳が繰り返しおこる、痰は多くて白色、吐き気、胸苦しいなどの症状があらわれます。
「薬三分、養生七分」です。
漢方薬で外邪を取り除いたり(例えば、「風燥」であれば「風」を取り除きうるおす、など)、「肝」や「脾」、「肺」のはたらきを整えて、咳症状を改善する方法もあります。