急に寒くなると、胸が苦しくて痛い、ひどくなると痛みは背中まで響く・・・といった症状を経験されたことはありませんでしょうか。

他に、呼吸数が速くなる、眠れない、などの症状も。

東洋医学(中医学)では、このような症状を「胸痺(きょうひ)」といいます。主に「心(しん)」や「脾(ひ)」、「肝(かん)」、「腎(じん)」と関係があると考えられています。また、寒邪が体に侵入したり、飲食の不摂生で発症することもあります。

飲食の不摂生とは、脂っこいものや甘いものの食べすぎ、お酒の飲みすぎ、などです。

例えば、寒くなって寒邪が体に侵入すると、「気(き)」のめぐりが悪くなり、胸の痛みが背中まで響き、寒くなると痛みが増す、胸苦しい、手足の冷え、などの症状があらわれます。

50歳を超えると、「腎の気」がだんだん衰弱し、「腎の陰(いん)」が少なくなります。それが「心の陰」に影響し、「心」のはたらきが低下します。そうすると、胸が苦しくて痛い、眠れない、寝汗、腰や膝がだるい、耳鳴り、などの症状があらわれます。

「薬三分、養生七分」です。 漢方薬で寒邪を取り除いたり、「心」や「脾」、「肝」、「腎」のはたらきを整えて、胸苦しいや胸の痛みを改善する方法もあります。