前回に引き続き、今回も五臓と精神活動のお話です。
五臓と五つの精神的な働きは関係がある*、と考えられています。
「脾(ひ)」と関係があるのは、「思」。
東洋医学(中医学)でいう「脾」は、西洋医学でいうそれとは異なり、「脾は飲食物を消化・吸収し、水穀の精微(栄養物質)に変化させて、全身に送るところ。栄養物質は心や肺などの上部へも送られ、心肺で気と血にかわります。また、脾は血が脈外にあふれ出るのを防ぐところ」と考えられています。
「思」とは思考や思慮のことです。
思いつめると、「脾」は傷つけられます。
「脾」が傷つくと、「脾」のはたらきが低下します。
食欲不振、お腹がはる、めまいなどの症状があらわれやすくなるのです。
「薬三分、養生七分」です。
思いつめないことも大切です。
漢方薬で「脾」のはたらきを整えて、これらの症状を改善する方法もあります。
*出典「素問」