五臓と五つの精神的な働きは関係がある*、と考えられています。
「肝」と「怒」、「脾」と「思」の関係をお話しました。
「肺(はい)」と関係があるのは、「悲」。
東洋医学(中医学)でいう「肺」は、西洋医学でいうそれとは異なり、「肺は呼吸を行い、自然界の清気を体内に取り込み、体内の濁気を吐き出しているところ。そして取り込んだ清気と脾で作られた水穀の精微(栄養物質)で、体内の気を生み出して、全身の気を主るところ」と考えられています。
悲しみに沈むと、「肺」は傷つけられます
「肺」が傷つくと、「肺」のはたらきが低下します。
そして体の「気」がしだいに消耗します。
呼吸がしんどい、声に力がない、疲れてだるい、いつも汗が流れでる、感冒にかかりやすい、などの症状があらわれやすくなるのです。
「薬三分、養生七分」です。
漢方薬で「気」を補充し「肺」のはたらきを整えて、これらの症状を改善する方法もあります。
*出典「素問」