五臓と五つの精神的な働きは関係がある*、と考えられています。
五臓とは、「肝(かん)」「心(しん)」「脾(ひ)」「肺(はい)」「腎(じん)」です。
五つの精神活動とは、「怒」「喜」「思」「悲」「恐」です。
「肝」と関係があるのは、「怒」の感情。
東洋医学(中医学)でいう「肝」は、西洋医学でいうそれとは異なり、「肝は血液を貯蔵し血流量を調節しているところ。また、全身の気の流れを調節し、食物の消化と吸収や、精神活動に関係するところ」と考えられています。
過度な怒りは「肝」を傷つけます。
「肝」が傷つくと、「肝」のはたらきが低下します。
そして、全身の気の流れが停滞すると、脇(わき)が痛い、お腹が張る、よくため息をつく、イライラする、気分が沈んで晴れ晴れしない、などの症状があらわれます。
「肝」の「血(けつ)」が少なくなると、めまい、耳鳴り、爪の色が悪くてもろくなる、夢をたくさんみる、視力の低下、手足のしびれ、などの症状があらわれます。
このように、ストレスなどから生じる怒りで、様々な症状が引き起こされるのです。
「薬三分、養生七分」です。
怒りの感情を上手にコントロールしましょう。
漢方薬で「肝」のはたらきを整えて、これらの症状を改善する方法もあります。
*出典「素問」