心と脾はお互いに影響しあい、密接な関係です。
東洋医学(中医学)でいう「心」は、西洋医学でいうそれとは異なり、「心は血液を全身に循環させ、血中の栄養分を全身に送り出しているところ。また、心は精神・意識・思考の活動も担っているところ」と考えられています。
脾は、「飲食物を消化・吸収し、水穀の精微(栄養物質)に変化させて、全身に送るところ。そして栄養物質は心や肺などの上部へも送られ、心肺で気と血にかわります。また、脾は血が脈外にあふれ出るのを防ぐところ」と考えられています。
脾でつくられた水穀の精微(栄養物質)で、心は血に満たされます。
脾は血が脈管の外にあふれ出るのを防ぎ、心は血液を全身に循環させます。
過度な思慮や偏食などで、脾の気が不足して血のもととなる栄養物質が不足すると、心の血は不足します。
動悸(どうき)、不眠、夢をよくみる、食欲低下、疲れてだるい、顔色が悪いなどの症状があらわれます。
このような場合、漢方薬では心と脾を同時に補充して症状を改善します。