心と肺のはたらきはお互いに影響します。
東洋医学(中医学)でいう「心」は、西洋医学でいうそれとは異なり、「心は血液を全身に循環させ、血中の栄養分を全身に送り出しているところ。また、心は精神・意識・思考の活動も担っているところ」と考えられています。
肺は、「呼吸を行い、自然界の清気を体内に取り込み、体内の濁気を吐き出しているところ。そして取り込んだ清気と脾で作られた水穀の精微(栄養物質)で、体内の気を生み出して、全身の気を主るところ」と考えられています。
「心は血を主り、肺は気を主る」ことから、心と肺の関係は、血と気の関係をよく表しています。
血のめぐりは気のエネルギーによって行われ、血は気を運びます。
肺の気が不足すると血をめぐらすエネルギーが低下し、心に血が停滞すると、動悸(どうき)、息切れ、唇や舌が青紫色になるなどの症状があらわれます。
心の気が不足して血のめぐりが悪くなると、肺のはたらきが低下して、咳、喘息(ぜんそく)、呼吸があらい、息切れなどの症状があらわれます。
このような場合、漢方薬では肺や心の気を補充したり、血のめぐりをよくして症状を改善します。