食べ物や飲み物には五味があり、それぞれの味にはたらきがあります。*
五味とは、辛・酸・甘・苦・鹹(かん)です。
辛い、酸っぱい、甘い、苦い、塩からいです。
辛味のものには、発散作用があります。
酸味のものには、収斂作用があります。
甘味のものには、緩和や補う作用があります。
苦味のものには、乾燥や堅める作用があります。
鹹味のものには、軟化作用があります。
煎じ薬は約10種類の生薬で構成されますが、生薬にも辛・酸・甘・苦・鹹の五味があります。
散らしたり、引きしめたり、緩めたり、補ったり、乾燥させたり、やわらげたりと、治療に必要な作用を考えて、生薬の組み合わせを決めます。
このように、五味の作用をうまく組み合わせて、五臓(肝・心・脾・肺・腎)のはたらきを整えたり、気・血・水のめぐりをよくして、さまざまな症状を改善していきます。
*出典「素問」