食べ物や飲み物には五味があります。*

五味とは、酸・苦・甘・辛・鹹(かん)です。

酸っぱい、苦い、甘い、辛い、塩からいです。

人の肉体は飲食物によって存在し、そして、肉体から気の働きが生じます。

その気の働きが充実していると、生命活動の源泉である精気も充実します。

さらにこの精気も充実していると、新陳代謝の変化が円滑に行われます。

このように、精気は気から生じ、肉体は飲食物である五味から生じるのです。

飲食物の五味のバランスがくずれると、五味はかえって肉体を傷つけることになります。

例えば、美食が過ぎて陽気が過剰になると、化膿したできものが生じます。

飲食物の酸・苦・甘・辛・鹹の五味をバランスよくとるよう、心がけましょう。

そうしますと、「気」と「血」が順調にめぐり、皮膚のきめが細やかになってきます。

精神も肉体も生き生きと元気に満たされます。

*出典「素問」