日本人の平均閉経年齢は約50歳で、閉経前の5年間と閉経後の5年間をあわせた10年間を「更年期」といいます。

卵巣から分泌される女性ホルモンの急激な低下にともない、更年期にはさまざまな症状があらわれ、症状が重く日常生活に支障がでる状態を「更年期障害」といいます。

症状は、顔ののぼせやほてり、発汗、めまい、耳鳴り、眠れない、イライラ、疲労感、肩こり、腰痛など、人によりさまざまです。

東洋医学(中医学)では、更年期のさまざまな症状は「腎(じん)の気(き)の不足」、「肝(かん)の気の停滞」、「心(しん)の血(けつ)と脾(ひ)の気の両方の不足」と関係があると考えられています。

例えば、閉経の前後では「腎の気」が徐々に低下して、めまい、耳鳴り、足腰がだるい、眠れないなどの症状がでます。

思慮が過度、暴飲暴食、過労などで、「心の血と脾の気」の両方が不足すると、動悸、眠りが浅い、夢をよくみる、食欲がない、発汗などの症状がでます。

「薬三分、養生七分」ですので、暴飲暴食を控える、適度の休息をとるなどの養生は大切です。

漢方薬で「腎」や「心」、「脾」を元気にしたり、「肝」の気の流れをよくして、更年期の症状を改善する方法もあります。